居抜きで退去する場合は店舗内の造作などをすべてそのままの状態にしておきます。ですので原状回復義務を負う必要がありませんし、造作の処分費用などもかかりません。これら造作の所有権は新しい入居者が決まれば、造作譲渡料を支払うことによって権利は新しい入居者に移ります。しかし新しい入居者はここで気をつけておきたい点があります。一旦造作の所有者になったということは、処分するなどの責任が生じてしまいます。

居抜き物件の中には造作譲渡料が無料もしくはかなり安いケースがありますが、そういう場合は契約前にしっかりと確認をしておかないと、いざ使用してみると性能が良くなかったり状態が悪かったりする場合もあります。もしそうなってしまいますと新しい設備などを購入しなければいけなくなりますし、その引き継いだ造作の撤去負担も負うことになってしまいます。

所有権移転と居抜き物件の取引

不動産の売買は所有権の移転を伴いますが、賃貸中の物件を現状のまま売買する居抜きでは、同時に、賃貸借契約の契約上の地位も、新しいオーナーに引き継ぎます。  不動産の売買は、元のオーナーと新しいオーナーの間で交わした契約なので、賃借人が元のオーナーと交わしている賃貸契約の内容を変更することはできません。  新しいオーナーは、賃借人が元のオーナーと交わしている賃貸借契約の条件をすべて引き継ぐことになるので、売買に先立って、必ず賃貸借契約書を確認しておきましょう。